インターネット美術館 ギャラリー華美繪
松井 正弘・妙美


略歴 【松井 正弘】
広島県児童福祉課長
社会福祉法人広島修道院 理事兼事務局長
広島大学歯学部附属歯科衛生士学校 非常勤講師(学長委嘱)
広島福祉専門学校 非常勤講師
GL健康福祉専門学校 非常勤講師

【松井 妙美】
広島県職員(行政職)

微笑みと思い出ありがとう 早世した娘と綴った「思い出遺産」
著者:松井 正弘・妙美
出版社:文芸社 (2019年)
ISBN-10:4286205436
ISBN-13:978-4286205434
価格:1,188円(税込)


花を愛する優しさと、純粋な心を持ち続けた女性が、命ある限り病気と闘い抜いた軌跡。

娘・弘美が旅立ってからもう約四半世紀。
しかし今なお、ご縁をいただいた多くの方々のご友情を、私共両親が引き継いでおります。
以前私家版として出版した内容に、新たに知ったエピソードや、いまでも生き生きと育つ、丹精込めた花々の写真などを加え、娘が精一杯生きた証として、新たに一冊にまとめました。(著者)
瞳を輝かせ、笑顔で生を全うした美しい人生が集約された愛と絆の物語です。(編集者)
ロイヤルコペンハーゲン社のフローラダニカの磁気。
草花の絵には、必ず根っこも描かれていることが私には不思議に思え、娘にもらしたことがあります。
美しい花だけでなくて、なぜ毛のような根まで描くのかなあ。と言ったのです。
すると娘は「お父さん、花は根と一緒で一つの命よ。土の中で目には見えないけど、役割が違うだけではないかね。」と言ったものです。
この一言に私は大きなショックを受け、娘を見直し、教えられたことを思い起こしています。
物事をこのように見つめる本当に心のやさしい子でした。(※90頁)


"人間らしく生きたい" 。
これは娘が残した生前の言葉です。
偶然のことからお会いする機会をいただいた元英国大使・平原毅さん(出会いは本書に記載)は、後年病床から私たち夫婦に、「立派なガンファイターとして病魔を制圧し、これからも長く人生を楽しむつもりです。」とご丁寧なお便りをくださいました。
娘の "人間らしく生きたい" という言葉と平原先生のお便りを重ね合わせみて、初めて真の意味を知った思いです。
たとえ苦しくとも命ある限り病気と闘い、輝きの日々を生き抜くとのメッセージだったのだと思い至りました。
振り返りますと、残された時間を大切に、瞳の輝きや笑顔を失うことなく、自分の生き方を貫き通して病気との闘いを静かに終え、旅立ちました。
やさしい心と、強い意志で生き抜いた "人間らしく生きた" 短い人生でした。(※109頁)

微笑みと思い出ありがとう 早世した娘と綴った「思い出遺産」  松井 正弘 (まつい まさひろ)