インターネット美術館「ギャラリー華美繪」
團野 三正

【俳人】
略歴 1926年 大阪府生まれ
関西学院大学理工学部 卒業
脇本しげる師(初期新樹誌主宰・師系水原秋櫻子)の指導を受く
主宰帰天により廃刊(1997年)
1992年河内野誌入会、故館野翔鶴師・故若林南山師の指導を受く、同人(2011年退会)

現在、花鳥諷詠創刊号より日本伝統俳句協会正会員
1999年元旦号より銀河誌発刊・主宰、俳句教室講師

1998年頃、福祉障害者俳句教室の先達死後に頼まれ、指導員としてボランティアしている内に、健常者からも頼まれ当初大東俳句教室として、独自に教室を開き銀河誌を発刊、更に数カ所開講し現代に至る

著書 『 人間を体験した天使 』(2000年) 出版社:鳥影社
『 エイト、金星に行く 』(2004年) 出版社:たま出版
『 初めての俳句作り 』(2004年) 出版社:日本文学館
『 銀河の友:十周年記念合同句集 』(2010年) 出版社:共英印刷所
『 銀河の友:銀河誌二百号記念合同句集.第2集 』(2014年) 出版社:俳句結社銀河

「銀河」誌を作る

11月の兼題に尖閣諸島を出した。そしたら見ていないとかの反対に出あった。やむなく改めて「平穏無事」に変更する。このことは私の説明不足と指導力の足ら無さを痛感したことを恥じるのみである。
そこでホトトギスの汀子女史と広太郎氏の句を記して説明したい。

竹島は豊饒の島みどり濃し  汀子
竹島を丸く仕上げて万緑裡  広太郎

この句を見る限り紛争のある島には見えてこない。鳥取方面のホトトギス俳句大会の題だったと思うが、思うに唯客観写生に徹している句である。このように作れば鳥取島根方面の方々、特に漁師方の心を傷つけないだろう。また日本の皆さんが関心を持ってくれるだろうなと思って作られたような気がする。(筆者にはテレビで見た限りは岩だらけの島であろう)お二方は心の眼で見られた句と思われる。此の様な見方を写実写生と云われている。

ところで私を含めてみなさんがオリンピック等直接一度も見たことも無いのを平気で作句しておられる。これらはテレビや新聞等を通して見聞したことによる。みな暗黙に許されている。同様に尖閣諸島に就いてだが、臨機応変に作句を進めて欲しいものである。私は、お二方師の句にヒント得て最近のテレビや新聞で見たまま聞いたまま作って見た。

尖閣は豊漁の海なり秋思  三正

さて独善かもしれないが銀河誌の心は本質として自由にして正道を歩むために作った句集である。だから過去に於いて私は戦後の左翼に洗脳された結社から離れるために信念を曲げず徹してきた。その説を過去「銀河」誌に折々に記してきた。

このことを現代の世代の人は右翼主義と言う。誠に理解に苦しむ。先ず右翼とか左翼とか言うのは哲学的に言えば相対的に見ているからであって本質ではない。今の社会主義や共産主義は日本では戦争反対・憲法改正反対とか言っているが、相手が理不尽に仕掛けてきたらどうであろう。自衛権があるからと。国内だけでは済まされない。守るだけでは相手は無傷だから繰り返し攻撃できる。これだけでは抑止力とはならない。相手を沈黙させる、つまり戦わずして戦意を喪失させる力がなければならない。

私は今でも片時も忘れず馬鹿みたいに常に世界人類は平和でありますように、日本が平和でありますように、「銀河」の会員がより健康であり、より一層進歩向上しますように等々・神仏に祈っている。敏感な人は心して解ってくださっているとは思っているが、然しやはり面と向かってやれ軍国主義だ右翼だ云われては、残念だが心中冷静になり切れない。念仏だけでは済まないし空虚だ。

私は祖国を愛しているからこそ、戦場にしたくないからこそ、論を尽くして止むにやまれず述べてしまった。

團野三正 俳句

インターネット美術館「ギャラリー華美繪」  俳人: 團野 三正 (だんの さんせい)