インターネット美術館 ギャラリー華美繪
松尾 善弘


略歴 1940年生まれ
1959年 東京教育大学漢文学科入学
1963年 同大学院修士課程入学
1967年 同博士課程入学
1975年 鹿児島大学教育学部助教授
1981年 同教授
1997年 山口大学人文学部教授に転任
2003年 同定年退職

尊孔論と批孔論 Kindle版
著者:松尾 善弘
出版社:22世紀アート(2016年3月)
価格:500円(税込)

「倣顰/ひそみにならう(『荘子』)」は痛烈な孔子批判の説語である。絶世の美女西施が胸を病んで里帰りした折、つとしかめた顔が又えもいわれず美しいと村人が噂するのを聞いて、村一番の醜女が翌日からしかめっ面して歩き回るので村人は恐れをなして逃げ惑った。
周王朝の文王(西施)の理想国家の再現をめざして、身のほど知らずの孔子(醜女)が諸国諸大名に仁義の道を説いて回る非現実的理想主義を辛刺に皮肉ったものである。

「守株待兎(『韓非子』)」も、たまたま出現したと思われる古代の理想国家をめざして、その再現を、すでに戦国乱世になっている時代に諸侯に説いて回る愚を揶揄したものである。
― 森陰から走り出た兎が切り株にぶつかって昇天した。
たまたま僥倖(古代理想国家)を知り手にした農夫(孔子)は、翌月から鋤を放り投げ(現実の生業を顧ず)、株を見守って又兎を得よう(理想国家の再現)と図ったが、畑は茫々となった。
【「MARC」データベースより】
孔子思想の哲学的解明―それは観念論か唯物論か。「尊孔」と「批孔」の立場の違いは何に由来するのか。
その見解の相違は学者・研究者自身の学問に対する姿勢の反映でもある。
孔子の教えを「哲学」の観点から批判的に捉える。

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インターネット美術館「ギャラリー華美繪」  松尾 善弘 (まつお よしひろ)