インターネット美術館 ギャラリー華美繪
藤井 泰蔵

【工芸家】
略歴 1951年 東京都世田谷区生まれ
小説家を志すが、竹工芸に進む

(社) 現代工芸美術家協会 本会員

受賞歴 1997年 東京都手工芸連合会 公募展 東京都知事賞 - 立体作品「雷鳥」
1998年 第37回 日本現代工芸美術展 初入選 - 作品「霧笛」
1999年 東京都勤労者美術展 東京都議会議長賞 - 立体作品「宝燈」
他、受賞多数

『 聖流 遥かな友へ 』 竹藤
2019年 第58回日本現代工芸美術展 出品作

想像力で心の宇宙に旅に出かけよう。
我々はみなこの人生の旅人だ。
絵描きには絵の具、音楽家にはオタマジャクシ。
デッサンは紙と鉛筆でふつうするが、絵画的表現ではデッサンし切れない美がある。
では、どうするのか。
ひとつは音楽の力をかりる。
そのイメージに心を集中していると自然と音が生じてくる。
その音階をかきとめていく。
曲ができてくる。
もうひとつは言葉の力。
そのイメージを言葉でかきとめていく。
詩ができる。
音楽と言葉の力、これらの価値はとてつもなく大きく、強く、作品づくりの支えとなっている。

絵画的表現によるデッサンの努力はほとんど要らない。
手が勝手に仕事してくれるから。
そのわけ。
私は小学校四年生のときから、近所に住むプロの口絵、挿し絵画家の前村教綱先生のお宅へ学校が終わると毎日立ち寄り、入りびたって、水彩絵の具を塗っていく緻密な筆先の動きに見入っていた。
中学生になると、先生の絵の仕事の手伝いをするまでに見込まれた。
絵を描く修行の真剣な日々をこうして得ることができていたのだ。

作品の画面を構成する竹ヒゴは、表面と裏面あわせて約二千本を使用している。
若い竹のうすい黄色のヒゴと、年とった竹の色ついたものとを組み合わせて編んでいる。

聖流。
聖なる流れの美しさの向こう遥かな所に友はいる。
その友への賛歌である。

藤井泰蔵 聖流 遥かな友へ

インターネット美術館「ギャラリー華美繪」  工芸家: 藤井 泰蔵 (ふじい たいぞう)